halcyon
2週間に一回のペースで病院には通った。


いつの間にかクスリを貯める事に快感を覚えていた僕は、なるべく飲まないで貯める事にしていた。



ユイと僕との関係はというと、現実味の無い作り話の世界になっていた。


愛した方が負け。
愛された方が勝ち。


ある日のデートでオレンジ色の鮮やかな発色をしているバッグが目に入った。


僕は、

「ユイ、ねぇえコレ欲しい。」

ユイは表情を曇らせた。


値札には300000円と書かれていたからだ。
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