halcyon
カードの裏には次回診察日と時間が書いてあったはずだ。

多分それを見て病院に連絡でもしたのだろう。



診察後の30分は両親が来るまでの時間だったんだと悟った。



診察室にピリピリとした空気が漂う。

「なんで…お父さん達が…そんな…」

「保険証は、お前のだけ無いし、それにココの病院の診察券が部屋に落ちているのを見付けたから電話で確かめたんだよ。お前の様子も前々から、おかしかったしな。」

父親が言っているのは、きっと薬の副作用の事だろう。


最近は貯めていた薬を、まとめて飲んだりしていて、とても普通とは言える状態じゃない日が続いたりしていた。

「…ちょっと…ま、待って…待ってよ…」

僕は耐えきれずに取り乱してしまった。
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