halcyon
「電話してみたら今、付き添いでお姉さんと来てますよって受付の看護師が教えてくれてな。いつから、お前に姉が出来たんだ?!なぁ??」

お父さんは当たり前だけれど、いつになく怒っていた。


ユイは片隅で申し訳なさそうに、ただただ頭を下げていた。


僕は目の前で目まぐるしく変わる現実を受け入れる事が出来なくて、下唇を血が出る程噛み締めていた。



医者と両親の話し合いの末、通院に至る経緯と、明らかに普通の生活とかけ離れている事から、今までの生活を忘れるという意味で隔離病棟に強制入院させられる事になった。
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