halcyon
看護士がベッドの上の、無気力そのものの塊を揺さぶり起こそうとする。


どうやら夕食の時間らしい。



正直、食べる気などしなかったけれど、看護士に変な誤解をされて医師に報告されて退院の日が延びるのはゴメンだ。


僕は重い腰を上げて、夕食を食べに行く。


入院当初、病院食に何の期待もしていなかったけれど、病院食を目の前にすると食欲が湧いた自分がいた。
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