halcyon
「ねぇえ、ソラ…もっと強く抱き締めて。」

「うん…」

僕は壊れそうな心を繋ぎ止める様に強く強く抱き締めた。


僕は愛を確かめる行為を手に握り締めた札束に変え、虚しさだけを心に残して呆然としていた。

「ねぇえ…ソラ??」

「うん??」

「気分でも悪いの??顔色が良くないよ。」

「そんな事ないよ。」

僕を本当の意味で必要としてくれる人なんて、いない…
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