halcyon
僕は、その言葉にどれだけ救われてたのだろう…



本当の自分でいれる。


僕は腕に流れる血の涙なんかじゃなく、頬を伝う本物の涙を流した。

「ありがとう…」

その日のメールを境に、僕はユイとの関係を断ち切ろうと強く思った。



もう偽物の愛なんかに、しがみつかなくて良い…


存在を認めてくれる人がいるから…


その日の夜、今まで流せなかった涙が、まるで逃げ場を見付けたかの様に枕を濡らした。
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