halcyon
「サヤカ…だから俺には恋する資格なんて無いのは十分、分かってる。だから、ずっと黙ってた…サヤカは俺が前にサヤカ冗談っぽく好きって言った時に、私も好きって言ってくれたよね。でも…あれは違うんだよね??」

「ごめんね、ソラ…私とは年が10も離れているし、だから…その…まさか本気だなんて思わなくて…」

「そう…だよね。良いんだ、分かってたから。」

分かってた。
でも分かりたくなかった。

「ソラが本気なら私も…ソラは聞きたくない事かも知れない。それでも言わなくちゃならない事があるの…私ね、彼氏がいるの…」

「そっか…サヤカ可愛いもんね…」

「ごめんね、ソラ…」

どこかに希望を持っていたんだ。

でも、そんな希望も消えた。

「謝らないでよ、サヤカ…」

「ごめんね、ソラ…」

「謝らないでよ!!…余計に辛くなるだけだから…」

「ソラ…ごめん…」

それ以降、僕はサヤカと連絡を取らなくなった。
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