halcyon
角を3つ程、曲がって立ち止まり、唇に残る罪悪感を取り払うかの様に何度も何度も左手で唇を擦った。



深呼吸してから空を見上げる。
空は綺麗な茜色を纏い彩っていた。


僕は一体、今日…

何色を身に纏ったのだろう。


きっと、それは限りなく闇に近い色。

黒色なんかじゃない…


そう…限りなく闇に近い色―


僕は、この日から闇に染まって生きていく事を決めたんだ。



闇を纏うのではなく、闇になる事を決めたんだ。
< 66 / 211 >

この作品をシェア

pagetop