halcyon
腰掛けて一息ついて少し上を見上げる。


搭乗案内のボードが忙しなく、めくられていた。


この音が堪らなく好きだ。
理由は分からない。


誰かに逢いに行く。

それまでの時間をカタチにした音だからなのかも知れない。



誰かと別れる時は辛い音に、顔を変えてしまうのだけれども…


でも少なくとも今この瞬間は、世界で一番好きな音に、違いは無かった。
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