halcyon
左手に強く握り締めた東京行きのチケット。


はやる気持ちが抑えられずに、つい足を揺らしてしまう。



搭乗案内のボードが、めくられた次の瞬間、僕はゲートへと足を運んだ。


ボードは、[東京行き8時45分発 搭乗案内中]と表示していた。


煩わしい手荷物検査を受け、金属探知機の扉を通る。



扉の向こうには、僕をサヤカの元へと運ぶ飛行機が見えていた。
< 9 / 211 >

この作品をシェア

pagetop