halcyon
体を重ねる限り、いつまでもユイにリストカットを隠せる訳が無かった。


ユイと体を重ねた、ある日。

「ソラ…その傷…」

「…あぁ、コレ??何でも無いよ。」

「何でも無い訳ないでしょ…そんな、どうして…」

ユイは涙目になり明らかに、うろたえていた。

「分からない…」

「私の…せい…」

「自分でも分からないよ…でも、そう思うなら保護者代わりに病院に付き合ってよ。」

僕は自分が壊れている事に気付いていたんだ。

普通じゃない…



だから…治さなきゃ、治さなきゃ…

「分かった…私が病院に付き合う…」

こうして僕は、精神病院に通院する事になった。
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