いつか見つけてね2



「お名前は、ヤングレディ?

私はアンディ、スティーブナー。アンディと呼んでくれ。」


アンディが彼女の腰に手を添えてソファーへとエスコートする。

そして座った彼女を確認して俺にも隣に座れとジェスチャーした。

俺とまりな、対面にアンディが座ってニヤニヤとにやけている。

先ほどまで妹尾に文句をつけていたとは思えないくらい上機嫌だ。


「私は辰野まりなと申します。

水友で秘書をしております。」

まりなは簡潔にそう返事をする。

あくまでも俺が仕事で急に呼び出したんだ、彼女の頭は仕事モードなのは当たり前。

「こちらの包は?」

アンディがそう言うと俺が持つ紙袋を指差す。

「一風堂の羊羹でございます。

奥様のお好みのお菓子だとお聞きして。

お土産にとお持ちしました。」

そうまりなが返事すると、今度は満面の笑みで

「ありがとう。

ワイフのことまで考えてくれてたのか。

君は良く出来た秘書だ。

まるで、昔の広大の靖枝のようだな。」

広大とは俺の親父、そして靖枝は俺の母親。

母は昔水友で秘書をしていたからまりなを重ねているんだろう。

「ありがとうございます。

社長に円滑にビジネスを進めていただくようにするのが私の仕事で御座いますから。」

あくまでも仕事の姿勢を崩さないまりなにプロフェッショナルを感じる。

そして彼女はこの仕事が大事なことを知っているので嵌めを外すことなく俺の秘書として完璧にこなしていた。




そのまま最後まで仕事の話を交えながらの会談は忙しいアンディの時間切れで終わった。





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