いつか見つけてね2
光信が仕事でいなくなった後、私と岳斗君はしばらくベーカリーで話していた。
岳斗君の読んでいたのは英語で書かれたビジネスの本で
「ああ、これ?
この著者って俺の親父のビジネスパートナーだからね。
俺のおじさんみたいな感じで、勧められたから読んで感想聞きたいんだってさ。
全く、良い年して俺の感想が何になるんだか。
エミにも後で終わったら貸してあげようか?」
って言うから、
「うん。読んでみたい。
私、就職するでしょ、だったらいろんなビジネスのあり方知っとくべきだと思うの。」
「ああ、そうだな。
勉強することに越したことはないし。
エミの意見も読み終わったら聞かせて欲しい。
俺ら今から社会に出る人間の意見っていう意味でさ。」
「感想って言えるほどのものかわからないけど、読んでからね。」
岳斗君とは話が合うし、気を使わないから
私は岳斗君の車に乗り込んでベーカリーを後にした。