プラトニック・オーダー
「とりあえず、わかってることを整理しましょうか」
私が声をかけると、二人は頷いた。
「まず、三週間前に勇吾さんから誠二さんに連絡がきて、バンドの仲間の連絡先を聞かれた。その時、謝りたい、以外に何か言っていましたか?」
私が尋ねると、誠二さんは首を横に振った。
沙由はただ不安げな顔で黙って聞いている。
「じゃあ、その時に周くん以外に連絡先を教えた人はいますか?」
「ああ、それなら一人いるよ。っていっても、楽器やってたやつじゃなくて、主にミキシングとか作曲担当してたヤツで二人は直接の面識はないかもしれないけど」
「作曲、ですか……。じゃあ、その二人だけなんですね?他の人は……」
「関わり合いになりたくないって話だったよ。まあ、こればっかりは勇吾の自業自得だからしょうがないさ」
「なるほど……」
私は頷くと、手帳を開いて幾つかメモすると沙由の事を見つめた。
「沙由、周くんが誰かと会うって言ってたのも三週間前で間違いないね?まだ、二人が会っていたかはわからないけど、とりあえず三週間前に何かがあって、周くんが家にも帰れない状態になってるっていうのは間違いないみたいだね」
私が言うと、沙由は頷きながらぽろぽろと涙を流した。
私は開いていた手帳を見つめ、誠二さんを見上げた。
「あの、もう一人の人の連絡先、まだわかりますか?」
「わかるけど、今ここに呼ぼうか?」
「え、いいんですか?」
私が言うと、誠二さんは肯定の意味を込めて頷き奥に消えていった。
恐らく連絡を取ってくれるのだろう。
「そういえば沙由、警察には届けたの?」
「うん……ご両親にも連絡いってて、もう捜索願出したって。見つかったら連絡くれるって言ってたけど、そういえば、警察は勇吾さんと周ちゃんが会うっていう話は知らないかも……」
「それもまだ確かなことじゃないけどね……」
藁にも縋る思いなのだろう。
でも、焦って違う結論を急ぐのも間違っている。
私は沙由の背中をさすりながら、誠二さんが消えた店の奥を見つめた。
ややあって、誠二さんが戻ってきた。
私はそのもう一人の人物も周くんと同じ様に失踪しているのではないかと思ったが、そんなことはなく。
車で20分程の距離に住んでいるから、すぐに来てくれるとのことだった。
「沙由ちゃん、その様子だとろくに食べてないんだろ?これ、食べれるだけでいいから食べるといいよ。まだ相田は来ないだろうし」
相田というのは、「もう一人の人」のことだ。
誠二さんは沙由の目の前に爽やかな色合いのゼリーを出すと、沙由に勧めた。
「ありがとうございます……」
沙由はちびちびとゼリーをつまみながら、時々堪えきれない様に肩を震わせていた。
私が声をかけると、二人は頷いた。
「まず、三週間前に勇吾さんから誠二さんに連絡がきて、バンドの仲間の連絡先を聞かれた。その時、謝りたい、以外に何か言っていましたか?」
私が尋ねると、誠二さんは首を横に振った。
沙由はただ不安げな顔で黙って聞いている。
「じゃあ、その時に周くん以外に連絡先を教えた人はいますか?」
「ああ、それなら一人いるよ。っていっても、楽器やってたやつじゃなくて、主にミキシングとか作曲担当してたヤツで二人は直接の面識はないかもしれないけど」
「作曲、ですか……。じゃあ、その二人だけなんですね?他の人は……」
「関わり合いになりたくないって話だったよ。まあ、こればっかりは勇吾の自業自得だからしょうがないさ」
「なるほど……」
私は頷くと、手帳を開いて幾つかメモすると沙由の事を見つめた。
「沙由、周くんが誰かと会うって言ってたのも三週間前で間違いないね?まだ、二人が会っていたかはわからないけど、とりあえず三週間前に何かがあって、周くんが家にも帰れない状態になってるっていうのは間違いないみたいだね」
私が言うと、沙由は頷きながらぽろぽろと涙を流した。
私は開いていた手帳を見つめ、誠二さんを見上げた。
「あの、もう一人の人の連絡先、まだわかりますか?」
「わかるけど、今ここに呼ぼうか?」
「え、いいんですか?」
私が言うと、誠二さんは肯定の意味を込めて頷き奥に消えていった。
恐らく連絡を取ってくれるのだろう。
「そういえば沙由、警察には届けたの?」
「うん……ご両親にも連絡いってて、もう捜索願出したって。見つかったら連絡くれるって言ってたけど、そういえば、警察は勇吾さんと周ちゃんが会うっていう話は知らないかも……」
「それもまだ確かなことじゃないけどね……」
藁にも縋る思いなのだろう。
でも、焦って違う結論を急ぐのも間違っている。
私は沙由の背中をさすりながら、誠二さんが消えた店の奥を見つめた。
ややあって、誠二さんが戻ってきた。
私はそのもう一人の人物も周くんと同じ様に失踪しているのではないかと思ったが、そんなことはなく。
車で20分程の距離に住んでいるから、すぐに来てくれるとのことだった。
「沙由ちゃん、その様子だとろくに食べてないんだろ?これ、食べれるだけでいいから食べるといいよ。まだ相田は来ないだろうし」
相田というのは、「もう一人の人」のことだ。
誠二さんは沙由の目の前に爽やかな色合いのゼリーを出すと、沙由に勧めた。
「ありがとうございます……」
沙由はちびちびとゼリーをつまみながら、時々堪えきれない様に肩を震わせていた。