壊れたココロ



自分でも驚くほどの快調のペンの走りに、解答欄が次々に埋まっていった。



でもそれは、決してあたし自身が調子良かった訳でも問題が簡単だった訳でもない。



どれもが、何度も何度も繰り返し海斗が叩き込んでくれた問題や陸さんが作ってくれた問題集の内容そのものだったからだ。



2人の力につくづく感謝をし、あたしは無事に5科目終えることが出来た。



試験の手応えと、今日までの圧迫された毎日からやっと解放される嬉しさから、あたしは単純に浮かれていた。



「華奈、どうだった試験。」



試験会場を出るとトモが廊下で待っていた。



「うん、出来たかも…。」



「なにその自信!
…でもそうだよな〜、海斗先輩に教えてもらってたんだもんね〜。
試験が終わったって事は、もう海斗先輩、華奈の家に来る事はないんでしょ?」



…トモに言われて、初めて気付いた。
今までの生活が当たり前になっていたから、受験が終わった今、陸さんと会う理由がなくなったんだ。



お姉ちゃんに会いに家に来る事はあっても、あたし
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