壊れたココロ
陸さんが来る日は学校からまっすぐ帰り、急いで部屋の掃除を始める。
普段は面倒な作業さえ苦にならない。
お姉ちゃんの真似をして、ピンク一色に揃えた家具や小物で何気に女の子らしさをアピールする事も欠かさなかった。
キレイに片付いた部屋で、後は参考書を眺めながら玄関のチャイムがなるのをひたすら待っていた。
胸が妙に高ぶり、陸さんを待つ時間さえ楽しさを感じていた。
ピンポーン。
来たっ!
その音に一瞬で反応し、チャイムと共に部屋を飛び出でると、階段を駆け下りた。
弾む鼓動を抑えるようにドアの前で一呼吸おいた後、ゆっくりとドアをあけた。
「えぇー…。」
ドアを開けた瞬間、力が一気に抜けた。