壊れたココロ
黙々と勉強すること2時間が過ぎた頃、静かな部屋にドアをノックする音が響いた。
トントン。
ガチャ。
「お疲れ様、海斗君。
お茶いれたから少し休んだらどう?」
お茶を持ったお母さんが入ってきた。
「海斗君、忙しいのにありがとうね。」
お茶を机に置くとお母さんは海斗に言った。
「いえ、お役に立ててるなら。」
海斗はさっきまでの無表情とは一変し、お母さんにそう言って笑顔を見せた。
お母さんは安心した表情で部屋を出た。
ふーん…。
お母さんには愛想いいんだ…。
「なんだよ、何か言いたげだな。」
あたしの視線に気付いた海斗が言った。
「別に、お母さんには笑うんだなって思っただけ。」
「…自分だって。」
「えっ?何よ。」
海斗は再び無表情となりお茶に手を掛けた。