壊れたココロ
「それじゃあ、今度は兄貴が来れると思うから。じゃあな。」
「うん、ありがとうね。」
玄関まで海斗を送り部屋に戻る。
疲れた首を回しながらふと机に視線を落とすと、机の上には見たことのない小さな袋が置いてあった。
…??
…なんだこれ?
袋を開けてみると、中には四つ葉のクローバーのしおりが入っていた。
可愛い…。
しおりを取り出すと紙切れがひらり落ちた。
“絶対に受かれよ”
海斗だ。
口では言わないけど、こういった何気ない優しさが陸さんに似ている。
海斗の気持ちも裏切りたくない、単純なあたしはその後の勉強にもより力が入った。