壊れたココロ
知らない一面
「おはようー華奈!」
登校するなり、トモが駆け寄ってきた。
「おはよう。
朝からテンション高いね。」
低血圧と昨夜遅くまで勉強していたこともあり、頭が未だ冴えずにいた。
「あたりまえじゃんっ!
今日の放課後、忘れてないよね?」
「あぁ、忘れてないよ。
S高の先輩見に行くんでしょ。」
トモが一目惚れした相手なんて興味があるし、S高の下見ついでにも丁度良かった。
「ところでどんな人なの、その憧れの先輩って?」
「どんなってぇー、超イケメン!
それで背は高めでー、ほっそりしてるんだけど筋肉質なの。とにかく格好良すぎてっ!」
トモは、その憧れの先輩を思い出しただけで興奮が止まらずにいた。
まさに恋をしていた。
あたしもきっと陸さんの事を話し出したら、今のトモのようになるだろう。