壊れたココロ


「華奈。今日は付き合ってくれてありがとう。
やっぱり格好良かったなぁ、名前もわかったし、あたし絶対にS高に入る!
華奈っ、一緒に合格しようね。」


「うん。頑張ろうね。」


「じゃあ、また明日ね!」


何も知らず無邪気に手を振るトモの笑顔がなんだか辛かった。


…でもトモには絶対に言えない。


ただの知り合いどころか、個人的に家庭教師をしてもらってるなんて知ったら、変に勘違いされそうだし…。


…それに、海斗の事を話したら、陸さんへの想いもトモに知られてしまう。


後ろめたい事は何もしていないのに、ただトモへの罪悪感だけは大きくなっていった。


そういえば、海斗は好きな人も彼女もいないって言ってたけど、高校であんなにモテてるのに本当にいないのかなぁ。


もしかしたらあたしに隠してるだけなんじゃないのかな?


海斗の事がますますわからなくなっていた。


< 25 / 104 >

この作品をシェア

pagetop