壊れたココロ


「おいっ!」


そんな事を考えながら歩いていると、突然背後から声を掛けられた。


その声に振り向くと、後ろには海斗がいた。


「海斗!?
いつから後ろにいたの?」


海斗の事を考えていたこともあり、あたしはびっくりして動揺した。


「いつからって、さっき。
お前が友達と別れたの見掛けて…。つーか、お前なんで高校になんて来たんだよっ!!」


「あれっ?気付いてたの?」


「当たり前だろっ、お前みたいなガキが来てたらわかるよ。何しにきたんだよ?」


「えっ?
あぁ…あれっ、し…下見だよっ。」


「下見?わざわざグランドを?」


「そうだよ!外観もちょっとね…。」


「ふーん…。」


いつものように話す海斗は、さっきまでグランドで騒がれていた海斗とはまるで別人に見えた。


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