壊れたココロ
「ただいま。」
重い足取りで階段をあがると、ちょうどお姉ちゃんの部屋のドアが開いた。
「おかえり華奈ちゃん、遅かったね。」
部屋から出てきたのは陸さんだった。
「えっ、あっ陸さん、いらっしゃいっ!」
急に現れた陸さんにあたしは動揺を隠せなかった。
「帰ってきて早々悪いんだけど、今日華奈ちゃんの勉強みてもいいかな?」
「えっ!?本当にっ、でも今日は約束の日じゃないのにいいんですか?」
「この前も急に来れなくなっちゃったから、埋め合わせさせて!
あっ、でも華奈ちゃんが疲れてるなら無理にはいいんだよ。」
陸さんとの勉強時間は唯一2人っきりになれる最高の時間なんだから、疲れなんてどうってことない。
あたしが断るはずがなかった。
「もちろん、陸さんが大丈夫ならお願いします!」
思いがけない事にあたしはすっかり浮かれていた。