壊れたココロ
「海斗とはどこまで進んだ?」
「えっーと、ここまでいきました。」
参考書を開いて見せると、陸さんは顔を近づけてきた。
「だいぶ進んだね、海斗のやつ、随分と頑張らせちゃったんだね。」
陸さんの顔を間近で感じ、思わずドキドキがとまらなかった。
その後、陸さんは今までの穴埋めをするかのように丁寧に時間を掛けて教えてくれた。
勉強しているだけなのに、あたしはそれだけで幸せを感じていた。
これが勉強じゃなかったら、どんなに楽しいんだろう…。
そう考えると、お姉ちゃんに対し嫉妬ばかりが強くなっていった。