壊れたココロ


「陸さん…あのっ、海斗って彼女とかいるんですか?」


「海斗に彼女??
聞いたことないけど多分いないよ。女の子連れて来るどころか、一緒にいるところなんか見たことないし、それに家に女の子が訪ねてきたり電話がきても一切対応しないしね。」


…本当にいないんだ。
でも、家に訪ねて来たり、電話って…、やっぱりモテるんだ…。


「…そうなんですね。」


「あっ、でも華奈ちゃんには特別かも。他の子とは全然接し方ちがうし、家庭教師だって俺が来れない日は自分が代わりに行くからって言い出したのは海斗からだしね。だから安心していいよ!」


へぇー、なんだか意外。
てっきり陸さんが海斗にお願いしたのかと思っていたから…。


「ふぅーん…。
って、陸さん、安心ってなんですか!?あたしは別に海斗の事っ!」


「あははっ!
まぁいいじゃん。」


勘違いされては困るとばかりについ声をはりあげたあたしに爆笑する陸さんの顔はとても無邪気に見えた。


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