壊れたココロ


「じゃあ、俺はそろそろ帰るね!」


「あっ、はい。
ありがとうございました。」


そう言い陸さんと部屋を出ると、隣の部屋から終わるのを待っていたかのようなタイミングでお姉ちゃんが出てきた。


「お疲れ様、大概くん!!
華奈のことありがとうね!」


お姉ちゃんはそう言うと、当たり前のように陸さんの隣に立った。


あたしは2人の後ろを付いて行くように歩く。


「陸くん、いつも遅くまでありがとうね!これ、夕飯にどうぞ。」


階段を下まで下りると、おかずが入った紙袋を持ってお母さんが待っていた。


「いつもすみません、ご馳走さまです。」


陸さんの家庭は、お母さんと海斗の3人家族なのだが、お母さんが看護師さんなので夜居ないことがしばしあるようだった。


家庭教師が終わった後、一緒にご飯を食べて行くように誘っても海斗が家に居るからといつもすぐ帰ってしまうので、陸さんのお母さんがいない日などには、お母さんがおかずを用意して持たせていた。


そのくらいすでに陸さんの家とは公認の付き合いということになる。


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