壊れたココロ
消防署の建物はとても大きく、その1階には沢山の消防車が並んでいた。
ここに陸さんいるんだなぁ…。
そう考えると眺めているだけでも満足だった。
しばらく眺めていると、背後に誰かが近づく気配を感じた。
…だれっ?
振り向くと、そこにはユニフォーム姿の海斗がいた。
「お前また兄貴の職場見てたのかよっ。」
またって…。
海斗とここで会うのはもう何度目かになる。
この公園は海斗のサッカー部のランニングコースでもあった。
「うるさいなぁ〜、
みんな行っちゃったよ、海斗も早く行きなよっ!」
あたしは海斗の背中を押した。
「はいはい。
お前も早く図書館行って勉強しろよっ。」
全て見透かされたような目で見る海斗にイラッとしながら、あたしは図書館へと向かった。