壊れたココロ


よく考えたら、陸さんは1人で来るなんて一言も言ってなかった…。


お姉ちゃんは陸さんの彼女なんだから、一緒に来て当たり前なんだし、冷静に考えたらあたしと陸さんが2人の方がおかしい。


浮かれすぎてて冷静さを無くして…、今までのあたしだったらこんな先走った感情にならなかったはずなのに、最近陸さんに優しくされたからって勘違いして…。


恥ずかしい…。


浮かれすぎてた自分にも、この気合いを入れた髪型も…何もかも恥ずかしくて嫌になる。


「ここがアズの母校かぁ。」


陸さんが何気なくそう呟く。


陸さんにはそうなんだよな。ここはあたしの中学校じゃなくて、お姉ちゃんが通っていた学校でしかない。


2人の後を付いて歩くあたしは、とても惨めに思えた。


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