壊れたココロ


そう思った瞬間、涙が溢れてきた。


だめだ、気持ちが緩んだ。


こんな思いは今に始まった訳ではない。こんな思いは今までにだって数え切れないほど経験しているはず。


溢れる涙を止めることにも慣れている。


振り出しに戻っただけの事…いやっ、そもそも振り出しなんてない。この想いにゴールもないのだから。


あたしは懸命に自分に言い聞かせていた。


「おいっ!」


その時、後ろから聞き覚えのある声がした。


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