壊れたココロ


振り返ると、後ろには海斗がいた。


「海斗…?なんでここに海斗がいるの?」


「兄貴に誘われたからだよ。
それよりお前…大丈夫?」


もしかして気付かれた。
海斗にはあたしの感情全てを見透かされてそうだった。


「なにがっ!!何でもないよ。海斗には関係ないでしょっ!」


あたしは心配して差し伸ばした海斗の手を思いっきり振り払った。


その声に陸さんとお姉ちゃんは立ち止まり振り返った。


「どうかしたの?」


「いやっ、なんでもない。兄貴達先に行ってて、俺は華奈に校内案内してもらうから。」


陸さんの方を見れないあたしに代わり、海斗が2人にそう言った。


「了解、じゃあまた後でな。」


そう言うと陸さんとお姉ちゃんは先に行ってしまった。


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