壊れたココロ
「いきなりどうしたんだよ…。兄貴は今日行く事、華奈に直接話したって聞いてたけど…。」
そうだよ…。
ちゃんと聞いてたけど、お姉ちゃんと一緒に来るとは思ってなかったから…。
「……。」
海斗にもそんなこと言えなかった。
「なぁ、校内案内してよ。華奈のクラスどこ?」
海斗はあたしの重苦しい空気を打ち消そうと話題を変えた。
そんな時、
「華奈…?」
ハッと顔を上げると、目の前には驚いた表情をしたトモがいた。
「トモ?」
「…なんで華奈が海斗先輩と一緒にいるの?」
トモは固まった表情のままこっちを見て言った。
しまったっ!!
トモには海斗とのこと隠してたんだった!
どうしよう…こんな状態で言い訳もできない。
何も言えず動揺しまくるあたしを見て、トモは次第に驚きから怒りの表情へと変わった。