壊れたココロ

片想いに気付いた途端、失恋とわかっていたが、当初は陸さんとどうなりたいとかなどまるで考えていなかったので、一方的な想いだけでも十分に思えた。


ましてお姉ちゃんの彼氏という立場を理由に近くの存在にすら思えていたのだった。


しかし、陸さんを想う時間が長くなり、周りの友達の浮かれた恋愛話を聞いているうちに、あたしの想いは少しずつエスカレートし、日を増すごとに陸さんへ対する気持ちが苦しくなっていった。


『彼女の妹』という位置にいるあたしへの優しさが、時に辛かった。


なんで陸さんと同い年で生まれなかったんだろう…、なんで先に出会えなかったんだろう…、なんで…あたしじゃなかったの…。


なんで…。


考えても無駄な事をこうしてひたすら考える時間も増えた。


想えば想うほど辛くなる、これ以上気持ちを膨らませたくなかった。