壊れたココロ


「そういえば、海斗から聞いたって、海斗と話したの?」


あたしは、気持ちの落ち着きを取り戻すと、トモを追い掛けて行った海斗を思い出した。


「うん。
追い掛けてきて声を掛けられた時にはびっくりしたよ。華奈との関係を教えてくれて、あたしが誤解してるから華奈との仲を修復してやってくれって言われてね。」


「そうだったんだ。」


だから海斗はあの時、わざわざ誤解を解くためにトモのことを追い掛けて行ったんだ。


海斗がトモに話してくれなかったら、トモとは今もギクシャクしたままで、まともに話も出来なかったはず…。


なんだか最近、海斗には助けられてばっかりだなぁ…。
この前のお礼もまだちゃんと言えてないのに…。


その上…今日は陸さんとのことで、思い切り八つ当たりしたし、謝らないといけないな…。


あたしはいつも自分の事しか考えないで、海斗にガキって言われてもしょうがない。


なんだか海斗が一回りも大人に思えた。


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