壊れたココロ


中学最後の文化祭は終わり、あたしの勘違いから波乱万丈で幕を閉じた。


何はともあれ、陸さんとの今までの関係を崩すことなく、トモにも自分の本当の気持ちを伝えられたので、結果オーライであった。


ただ一つ、海斗とのことをあやふやにしたままなので少しだけモヤモヤとした気持ちが残っていた。


学校からの帰り道はすっかり夕焼け空に変わり、あたしは今から海斗の家に行こうかどうか迷っていた。


海斗の家に向かう分かれ道に差し掛かると、あたしはなかなか決心がつかず辺りをうろうろしていた。


謝りたいけど、何て言って謝ったらいいんだろう…、今さら海斗にどういう態度をとればいいのか、考えれば考えるほど分からなくなってきた。


…また今度にしようかな?海斗が家に来たときでいいや…。


気持ちはモヤモヤしたままだったが、あたしは無理やり自分に言い聞かせるように自宅への方向へ足を進めた。


ポンッ。


少し歩き出したその時、背中に何かがぶつかった。


< 64 / 104 >

この作品をシェア

pagetop