壊れたココロ
んっ?
なんだろう…?
後ろを振り返ると、サッカーボールがコロコロと転がっていた。
サッカーボール??
「なに道の真ん中でうろうろしてんだよ。」
そう言いながら転がったサッカーボールを拾いあげたのは、海斗だった。
海斗に会いに行こうか迷っていただけに、急に本人が目の前に表れ、あたしはびっくりした。
「なにしてんの、こんなところで!?」
「ランニングついでに、そろそろ帰って来ると思ったから。
…仲直りできたの?」
「うん。」
「そっか、良かったな。」
海斗はうっすら笑うとそれ以上は聞かなかった。
「あの…海斗っ、あ、ありがとうね。」
普段憎まれ口ならいくらでも言えるのに、こういった言葉には慣れていなく、なんだか海斗が相手だけに照れ臭くて言いにくかった。