壊れたココロ
「今回の事だけじゃなくて…、図書館の時も、陸さんから色々聞いたから…。」
「……。
あぁ、別に俺たいした事してないし、実際助けたのは兄貴だから。」
海斗はあたしの言葉に一瞬動きが止まり、思い出したかのように言った。
「でも、海斗のおかげでもあるから。
…それから今日はなんだか八つ当たりしちゃって…。」
「ハハッ!
なんだか、お前らしくないな!」
緊張しながら慣れない事を言うあたしに、たまらず海斗が笑いながら言った。
「ちょっと、一応感謝してんだから笑わないでよっ!」
海斗のいつもの態度に、あたしも普段の態度に戻った。
「…、そういえば陸さんとお姉ちゃんはあの後どうしたの?」
「あぁ、2人で色々見て回った後に午後に帰ったよ。兄貴は華奈に会ってから帰るってクラスや校内捜してたけど、係りの仕事があるみたいだから、とか適当に理由付けといた。」
「そうだったんだ…。」
陸さん、あたしの事捜してくれてたんだ。
朝はあんなにへこんでたのに、それだけで一気に嬉しくなるあたしはすごく単純に思えた。