壊れたココロ


陸さんはクローバーのしおりを拾うと、まじまじとそれを見ていた。


「これ、どうしたの?」


じっとしおりを見ていた陸さんが何かに気付いたように聞いてきた。


「…あの、それは海斗がくれたんです…。」


海斗から貰ったなんて陸さんに言うのが少し照れ臭くなんだかあたしは話すのをためらった。


「そうだと思った!」


陸さんは確信した顔で笑いながら言った。


「へぇ〜、あいつが華奈ちゃんにクローバーを…。
これ、きっと海斗なりのお守りのつもりだよ。効果は絶大、俺が保証するよ。」


そう言うと陸さんはしおりをあたしに手渡した後、テーブルの前に腰を下ろした。


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