壊れたココロ


陸さんの意味深な言葉に、あたしは何かあるのかと気になり始めた。


「このしおりに、何かあるんですか?」


陸さんを追いかけるようにあたしもテーブルの前に座り身を乗り出すように聞いてみた。


「しおりというより、四つ葉のクローバーは海斗にとって、すごく大事な意味があるんだ。」


そう言いながら、陸さんはコーヒーに手を掛け一口飲んだ。


四つ葉のクローバーが…?


「どんな意味があるんですか?」


今まで全く聞いたことのない海斗のそういった話に、あたしは一気に興味を掻き立てられた。


海斗は自分の事をほとんど話さないし、あたしも聞いたことが無かったので、海斗の内心が少し分かるかもとちょっとした期待もあった。


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