壊れたココロ


陸さんが荷物を積み終わると、ちょうどお姉ちゃんが家の中から出てきた。


陸さんはお母さんに挨拶をすると、2人は車に乗り込み、あっという間に見えない所まで行ってしまった。


車が見えなくなっても、あたしはただぼーっと外を眺めていた。


同じ姉妹なのに、お姉ちゃんにとっては最良の日、あたしにとっては何でもない日、こんなパターンにはうんざりしていた。


あたしは再びやる気をなくし、ベッドに戻ると布団にくるまった。


あたしにもいつか最良の日は来るのか…、今は全く想像出来なかった。


陸さんを好きでいる限り、そんな日は訪れない事は確実だった。


< 80 / 104 >

この作品をシェア

pagetop