壊れたココロ
いつもと変わらないペースで海斗は勉強に集中していた。
そのおかげで朝はあんなに悲観的になっていた気持ちも、今は無駄な事を考えることなく集中できていた。
窓の外が夕焼けとなってきた頃、突然海斗は教科書と参考書を閉じた。
「今日は終わり。」
…??
えっ、もう終わり?
いつもはあと2、3時間平気でやるのに、なぜだか海斗は理由も言わず机の上を片付け始めた。
「もう終わり?
まだ海斗の作った問題も解いてないのに…。」
「今日はもういいんだ。」
「何か用事あるの?」
急にそわそわと落ち着かなくなった海斗がなんだか不自然だった。
「ちょっと出掛けるからお前着替えろよ。
外寒いから、なるべく着込んで厚着しろよ、俺はリビングで待ってるから、支度できたら降りてきて。」
そう言うと、海斗は部屋を出て下へ降りて行った。