壊れたココロ
そこからの景色は、街を一望でき、街の灯りとクリスマスのイルミネーションが加わり、よりキラキラと輝いて見えた。
「綺麗だね…。」
あたしはぽつりと呟くと、海斗の隣に座った。
海斗はあたしの反応に、にこりと笑った後、ずっと黙ったまま景色をじっと見ていた。
日はすっかり落ち、周りには何も無いせいなのか、静けさがやけに引き立った。
何で海斗がここにあたしを連れて来たのか未だにわからなかったが、特にあたしは聞かなかった。
無言の海斗はそう珍しくないし、あたしもその雰囲気に慣れていたこともあり、逆に落ち着いていた。
その沈黙を始めに破いたのは海斗だった。
しばらくしたあと、海斗は意を決したように口を開いた。