壊れたココロ
「お前、ずっと無理してるだろ。」
……??
「…受験生なんだし、受験終わるまではしょうがないよ。」
当たり前の事を聞く海斗に今さら?と思ったが、海斗の顔を見ると、今までに見たことがないくらい真剣な表情であたしを見ていた。
「…何?急にどうしたの?」
海斗のその視線は、いつもとは違う雰囲気を感じた。
「そうじゃなくて、兄貴の事だよ…。」
あたしは海斗の言葉にドキッとした。
もちろん、あたしと陸さんのやりとりを何年も間近で見ていた海斗が、あたしの陸さんへの気持ちに気付いていない訳がないとは思っていたが、海斗はその事に関して今まで口に出して言ったことはなかった。
その海斗が初めて口にしたのだからあたしは驚いていた。