"ありがとう"を君に



彼の家を出て直ぐに走って駅に向かった。
何してんだろ?
たった一枚の写真ごときでこんなに焦って胸が苦しくて、悲しくなるなんて…。



こんなに恋が苦しくて、切なくて、悲しいって思わなかった。

こんな感情があるって分かっていれば、再び恋なんてしなかったのに………。



今更遅い。
だって私は隼人に夢中になってしまったから。



いつの間にか駅に着いていた。
ハァハァと息が零れる。

久しぶりに全力で何も考えず走ったな。
でも、やっぱり苦しいや………。





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