"ありがとう"を君に
テーブルに財布から取り出した1万円を置く。
「お釣りいらないから」
そう言って、店を後にした。
最後に由香を見た時、悲しそうな目をしていた。そして、河本や榊原を見た時、
感じ悪い奴だと言うような目をしていた。
そう、これで良いんだ。
私は誰とももう仲良くなんてしない。
だって、大切なものが出来た時…死ぬに死ねなくなってしまう。
人に甘えたら、
死ぬことに恐怖を抱いてしまう。
そう、思ってたのに…………。