"ありがとう"を君に



「でもさ、そう言う割には隼人君の事になると意地張るよね」


軽く気にはなってる。
なってないって言ったら嘘になるから。
でも、そのほうが直ぐに忘れられると思うから…。

だって、死んじゃう人間と付き合った場合、残された方はどうするんだよってなるじゃん…?



「……きっと気のせいよ」

「いや!気のせいじゃない!
美咲が思ってる事くらい長年一緒にいる私にはお見通しだよ!」



「そうよ、気にはなってるわよ!
でも、彼はきっと私なんか好きじゃないよ…。私より可愛い子なんて沢山彼の周りにはいるんだもの……」




そう、彼の周りには綺麗な人や可愛い子が沢山いるから、私みたいな平凡な人間が近付けるわけない……。

近付けたとしても直ぐに別れてしまうと、私は思うんだ………。





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