"ありがとう"を君に
体を起こし辺りを見渡した。
人の気配がした気がする…。
「おい、何キョロキョロしてんだ?」
いきなりの声にピクッと肩が揺れる。
この声と匂いを知ってる。
顔を見なくても分かってしまう。
それほど、彼の声が頭の中にインプットされている。
彼の声と匂いが私を落ち着かせる。
「えっ、なんで隼人が此処にいるの?」
「由香って女に聞いた」
「始めて会った時もこんな似たような事あったよね!」
「そうだっけ?」
隼人は始めて会った時の事、もう忘れちゃったのかな…?