Cross Over






『・・・よいしょっ』




資料室から重い荷物を運ぶ。





あー・・やっぱり澪に手伝ってもらえばよかった・・





肩を落とし、後悔しながら両手に袋いっぱいの資料を運ぶ。






『大変そうだね。』





後ろから声をかけられ、振り返る。






『倉沢さん・・・』






優しく微笑んだ倉沢さんが後ろに立っていた。





『手伝うよ。』





持っていた紙袋を倉沢さんが持つ。





『え・・・でも・・』



いいのいいの、と倉沢さんがこちらに笑みを向ける。





『俺もう、仕事終わりだから。』






時計を見ると定時をまわったところだった。





倉沢さんの微笑みにふと安心して、ありがとうございますと、軽くお辞儀をした。






ーーーー。








< 109 / 117 >

この作品をシェア

pagetop