Cross Over


『これから残業?』





荷物を運びながら倉沢さんがこちらを見る。




『はい。急ぎではないんですけど、資料だけ運んでおこうかなと思って。』




倉沢さんを見上げる。




『じゃあさ、ちょっと付き合ってくれない?』





笑顔で倉沢さんが指を指す。




その方向を見ると、近くの小さなロビーがあった。





『出先から帰ってきたばっかりで、ちょっと一服したいなと思っててさ。』





『あ・・・』






・・・・別に会社の外で会うわけじゃないし


いいか。断るのも・・なんか悪いし。









少し悩んだあと、

ふと微笑んで倉沢さんを見る。









『はい。いいですよ。』




返事にふと倉沢さんが優しく微笑んだ。





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