Cross Over
決意
日曜の昼間。
ベッドに潜り込み、ため息をつく。
あの日から、体調が悪く体がだるい。
仕事はいつも通りこなしてはいるが、
澪の心配をよそに、澪たちと週末出かける用事も断った。
何事もやる気がでない。
精神的なショックに立ち直れていない自分がいる。
ふと、部屋の隅のごみ箱に目をやる。
綺麗にラッピングされた箱。
あの夜、
澪に抱えられ、泣きながら部屋に帰ってきて、持っていたプレゼントをごみ箱に入れた。
『受けとれない』
先輩の低い声が、頭に響く。
気持ちを伝えるどころか、
プレゼントすら受け取ってもらえなかった。
そのショックは大きかった。
完全に先輩は自分から離れようとしている。
それなのに、
それなのに、寝込むほどショックを受けているのは、
自分が先輩を好きだから。
どこまで自分は疎いのかと思うが、
あんな風に突き返されても、
それでも先輩への自分の気持ちがなくなることはなかった。
先輩が自分をどう思っていたとしても、
自分の気持ちを変えられることはない。
先輩が私を嫌いでも、好きじゃなくても、
それでも私は先輩が好きだ。
その想いは誰にも止められない。
今までの、
先輩の優しい目線、微笑み、優しい声、大きな背中、いろんなことが頭をよぎる。
先輩の姿を思い出しているだけで、涙が滲んだ。
ベッドから出て、
少しカーテンを開ける。
外は眩しい日が差していた。
明日から
また頑張ろう。
自分を奮い立たせて、
諦めないことを誓った。