Cross Over
ーーー。
『・・・・』
窓から差し込む光に、目をうっすら開ける。
白いカーテンから明るい光が部屋に差し込んでいる。
朝だ・・・。
気持ちいい光に、また目をゆっくり閉じていく。
ーーーーー。
その瞬間。
ガバッ、と目を開き飛び起きた。
あたし・・昨日っ・・・
そうだっ・・ここは・・
ふと隣を見る。
『・・・・。』
新崎先輩・・・・。
こちらを向いて、まだ眠っている新崎先輩の寝顔を見つめる。
『・・・////』
服を着ていない新崎先輩を見て、ふと自分の体を見る。
顔が次第に熱くなり、シーツでゆっくり体を隠す。
あたし・・・新崎先輩と・・・
昨日のことが頭をよぎる。
倉庫での出来事。
蘇った記憶。
そして、マンションへ来てからの先輩の言葉。
ーーーもう絶対離さない。
ぎゅっと抱き締めてくれた力強い腕の感触を思い出す。
先輩・・・
やっと一緒に居れるんだ・・
幸せが込み上げてくる。
『・・・・・』
その時。
先輩が少し体を動かした。
『・・・・///』
何も言わず先輩を見つめる。
ゆっくり、先輩が目を開けた。
『・・・・・起きたのか。』
『はい。おはようございます。』
先輩が、ふと優しく微笑んだ。
『・・・おはよう。』
ベッドの上で隣に座っている私の腰に、先輩の腕がゆっくりとまわる。
『・・・・///』
ドキっと、胸が高鳴る。
『もうちょっと・・こっち来いよ。』
気だるそうに腰にまわされた先輩の腕がゆっくり抱き寄せようとする。
『先輩・・・っ///もう朝ですよ・・・っ』
『今日休みだろ・・もうちょっと・・』
そう言いながら先輩が体をこちらに向け、シーツに顔をうずめながら、目を閉じた。
『・・・・・。』
『・・・・先輩・・・?』
『・・・・・。』
目を閉じたまま反応がない。
もしかして・・・
先輩の顔を覗きこむ。
先輩朝・・弱いんだ・・っ。
一人で思わず、クスっと、笑みがこぼれた。
小さく寝息をたてるその寝顔を見つめる。
・・・なんか。可愛い。
いつもクールな新崎先輩の、
些細なギャップに、胸がきゅんとした。
・・・・
シーツに静かに潜り込む。
先輩の隣にそっと横になった。
『・・・・ん・・』
先輩の腕が、抱き寄せるように背中にまわる。
『・・・・////』
『・・莉菜・・・・』
目を閉じたまま、小さくうわごとのように先輩がつぶやいた。
・・・・先輩っ・・
大好き・・・・
先輩の腕の中におさまり、
静かに胸に寄りそった。