Cross Over




先輩にすすめられ、シャワーを借り、

リビングに戻る。



身支度を整えた頃、


先輩がコーヒーを入れたマグカップを2つ、テーブルに持ってきて言った。




『莉菜に、渡したい物がある。』




・・・・?



『渡したい物?』





うなずいた先輩が奥から小さな箱を持ってきて差し出した。




なんだろ・・・。





ゆっくり箱を開ける。










『・・・わあっ。綺麗ーっ!』





思わず声をあげる。




箱の中には、小さな石がキラキラと輝く、細いネックレスが入っていた。





『莉菜に似合いそうかとか考えて、俺好みで選んでしまったけど。気に入ったか?』




先輩が伺う。




嬉しさが中から込み上げる。




『・・・すっごく気に入りました!ありがとうございますっ!』




微笑んで先輩を見上げる。



『じゃあ、よかった。』



先輩がほっとしたように微笑んだ。









ゴールドの華奢で細い鎖に、小さくて可愛らしい輝き。



ネックレスを手に取り見つめると、

先輩が手を差し出した。



その手にネックレスを渡すと、

後ろにまわり、首につけてくれた。









『わぁー・・。』





身支度をしていた自分の鏡を覗きこむ。





首元にかかるキラキラとした、でも上品で小さな輝きに、思わず声がもれた。





先輩・・・あたしのために・・・




突然の嬉しさに思うように言葉が出ない。








『すっごく嬉しいです・・っ。ありがとうございますっ。』




振り返り伝えると、そのまま後ろから静かに抱きしめられた。






『ずっと一緒にいような。』






先輩の優しい言葉に、自然と笑みがこぼれる。





『・・・はいっ。』




幸せが溢れて、先輩の腕をぎゅっと握りしめた。







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